新明解国語辞典を読む 010
新明解国語辞典を読む 010
  更新:2006年7月27日

あっと驚く…
「わからない語彙」を調べるのが、普通の辞書の使い方。
 新解さんの場合、知っている語彙も調べるようになり、果たしてなんと解説しているか、どんな用例なのかが楽しみになりました。そして、まともな解説であるとがっかりし(がっかりすることの方が多い)、新解さんの固定概念にのっとった解説に出会うと「嘘つけ」なんて思ったりするのです。中にはあっと驚く解説や用例に出会います。

●あっ[1](感)
ひどく△驚いた(感心した)時や、思わず何かに気がついた時などに出す、言葉とも言えない声。
「—と驚く(為五郎タメゴロウ)」

「あっ」の用例も、あっと驚くよりもふきだしてしまいました。
 本当か!と疑うかも知れませんが、すでに三版でも登場しています。


●あつあつ[0]【熱熱】
(二)〔大変熱くて、余人が近寄りがたい意〕△結婚したてで(恋愛中で)お互いに熱中している様子。 「大オオ—だ」

●あつ・い[2]:[2](形)
(二)何かの事情が起因で、感情が平常より感じやすくなっている状態だ。 「まぶたが熱くなる/—ものがこみ上げる/—視線/お—仲〔=恋愛中で、他の干渉を許さぬ間柄〕」

 なんに熱中しているのか?

 目が見えなくなって、活字とは遠のいていましたが、新解さんがHDにインストールできるようになり、楽しみが増えました。モバイルにも搭載できれば通勤時の暇つぶしにもなるのですが、そこまで視力が出ないため、どうしたものかと思案中です。
 とうとう、「岩波国語辞典 第五版」のハードディスク格納版も購入しました。
 電子化にともない、紙ベースの辞典とは若干異なる構成になっています。内容は同じです。
 新明解と違うメーカの製品であるため、ブラウザが異なります。ただしEPWING形式。したがってこちらは用例まで検索対象となり、使い勝手は勝っています。
 ちょっと使用した感想を述べます。

 純粋に国語辞典として引くときは岩波さんの方が明解である。
 用例で、引用している場合、出展を記しています。新解さんは出展を記していません。
 ただし、岩波さんは読んで楽しい辞書ではありません。

例)
岩波さん「とかく」の用例
「—浮世はままならぬ」「—人の世は住みにくい」(漱石)
 (漱石)で草枕からの引用とわかります。

新解さん「ひととおり」の用例
「一週間ばかりしたら学校の様子を—はのみ込めた/校長は—おれの説明を聞いた…」

 坊っちゃんからの引用であるがなにも書いていない。偶然坊っちゃんだと分かりました。
 なお漱石からの引用については、別にもっと詳しく述べる予定です。

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